「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「さあ、行きましょう。物乞いたちが暴れて屋敷内の物を破壊しいないことを祈るばかりだわ」

 先に立って歩きはじめると、すぐ背後に彼を感じた。

 そう思ったときには、うしろから彼に抱きしめられていた。

 一瞬、体が硬直してしまった。

 声を出そうにも出てこない。

 クロード、いったいどうしたっていうのよ?

 そう尋ねたかった。

 だけど、それもすぐに消え去った。
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