「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 当然、わたしもついてく。

 廊下をあるきつつ、クロードの肩が上下しているのがわかる。

 アンガーマネジメントっていうの?怒りをどうにかしようとしているのね。

 わたしもそれにならってみた。

「おいっ、どこへ行く?」
「ちょっと、きいているの?」

 うしろから、マリユスとお姉様がついてくる。

 お願いよ、二人とも。どうかおとなしくしていて。

 怒りがすこしでもおさまるまで、その口を閉じていてちょうだい。

 背中でそう語ってやったが、二人にそれがわかるわけもないわよね。
< 176 / 310 >

この作品をシェア

pagetop