「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 いまでも美しいのは美しい。美しさに年齢相応の凄みと渋さが加わったかしら。

 体格だって長身でそこそこ筋肉はついているけれど、そこまでガチガチについているわけではない。つまり、体も美しい。

 いまは、その体をグレーのスーツに包んでいる。

 いかにもやり手の諜報員って気がしないでもない恰好ね。

 まぁそれは、わたしがクロードに借りて読んでいる諜報員物の小説に出てくるキャラたちがしている恰好から判断しているのだけれど。

 それはともかく、いまのお兄様は根本的に何かが違う。
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