「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 彼は、目の前のお兄様を睨みつけたまま振り返らず、凄みのある声で言ってのけた。

 クロードの突然の豹変ぶりに、お姉様の薄汚れている美しい顔に驚愕の表情が浮かんだ。

 だけど、マリユスの美しいけど汚れきった顔には、事態がまったく把握出来ていないポーッとした表情しか浮かんでいない。

「レオナール。あなたの言う通りだ。おれは、ずっと演じてきた。それで?おれは、あなたの問いにどう答えればいい?どう答えれば、あなたは満足するのか」
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