「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「リン、どうだ?いまならまだ間に合う。わたしと一緒に来い。再婚したいなら、だれかさんのようなガキなどではなく、大人の男を紹介してやるぞ」

 お兄様は、渋い美貌に皮肉な笑みを浮かべた。

「いやよ。はなして」

 こんなの、お兄様じゃない。

 じたばたと暴れてみた。

 だけど、片方の腕だけでわたしを抱く力が強すぎる。ビクともしない。
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