「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 その何かは、まるでコウモリのように宙を舞い、あっという間にマリユスとお姉様の前に立った。

 クロードもロランも、その場に固まったままピクリとも動かない。

 いいえ。動けないのね。

「シュエット、その二人を連れて行け」

 飛び込んできた何かは、鳥のような目を持つ少年である。

 いいえ。人間(ひと)ではないわ。

 使役獣?
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