「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 クロードに「助けて」はもちろん、「逃げて」というのもタブーなことはわかっている。

 彼は、そう言われれば意地になるに決まっている。

 だから、「生きて」を強調し、「会いましょう」と言った。

 もしかしたら、わたしにだって逃げだすチャンスがあるかもしれない。

 おとなしくさえしていたら、殺されることはないかも。生きてさえいたら、なんらかのチャンスはあるはず。

 屋敷の前に、馬が一頭いた。
< 222 / 310 >

この作品をシェア

pagetop