「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 それが王都に近くなればなるほど、景色はさらにかわる。

 もちろん、わたしが見た景色はほんの一部分。領主の中には、わが利益や繁栄などいっさい顧みず、領民を一番にかんがえて経営している人もいる。そういう領地は、豊かとまではいかずとも飢えや退廃とは無縁かもしれない。

 だけど、ほとんどの領主がそうじゃない。みずからの利益を優先とまではいかなくても、経営が厳しい領主は数知れない。

 なぜなら、王都、つまり王族の搾取が年々過剰になるからである。
< 226 / 310 >

この作品をシェア

pagetop