「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「おろして」

 だから、前を向いたままお願いをした。

「なんだって?」

 お兄様が驚くのはムリはない。

「いいからおろして。どうしても王都に行かなければならないのなら、わたしは歩いて行くわ」
「いきなりどうしたというんだ?」
「いいから、おろしてよ」

 イライラが爆発してしまった。
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