「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 バカ。わたしのバカバカ。いまここで、そんなこと感動するわけ?

「観念したわ。お兄様の言うことをききます」

 雑巾をギューッと絞るような感じで涙腺を絞れたらいいんだけど、それはムリにきまっている。

 それでも、努力は実った。

 お姉様にくらべたら量は少ないし、たどたどしいって気もしないでもない。

 それでも、一粒、二粒と涙が流れてくれた。

 っていうよりか、さっき大泣きした涙の余りじゃないの?
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