「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 汚いのはわたしよね、って思いつつ。

「その癇癪だ。それこそが、リンだ」

 うれしそうなお兄様。

 だけど、そこは褒めたり感動されてもうれしくない。

「眠ってもらうしかないな」

 お兄様の渋美しい顔に獰猛な笑みが浮かんだ。

 当て身ってやつ?小説にでてくるように、みぞおちとかうなじのあたりを殴られたりするわけ?

 身構えてしまった。
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