「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 その瞬間、夫が、ってそこは疑わしくなっているけれど、とにかく「ひきこもり王子」がこちらに体ごと向いた。

 それはそれは、これまで見たこともないような美貌の持ち主が、陽光をバックに立っている。

 一瞬、違和感を覚えた。正確には、見たことがあるような気がした。

 そんなわけはないわね。こんな美貌の持ち主、一度会ったら忘れられないもの。
< 28 / 310 >

この作品をシェア

pagetop