「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「兄上、あとはご自身で」

 ロランは、さらっと言うと馬たちのところに行ってしまった。

「その……。リン、あらためて言わせてほしい」

 クロードがわたしの前に立った。真っ赤な顔はかわらないけれど、しっかり視線を合わせてきた。

 だから、わたしもそれをそらさずにしっかりと受け止めた。

「いろいろすまなかった。それから、きみのことが好きだ。いっしょにすごして、好きってことをあらためて思い知らされた。おれのせいで一度目も二度目もとんでもない出会いだったけど、これからその埋め合わせをさせてほしい」
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