「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 ムカつきすぎて反吐が出そうだわ。

 書斎を出ると、とりあえずエントランスの方へ向かって歩き始めた。

 ムカつくあいつの前では、かろうじてポーカーフェイスを保ち、態度については最後の侍女っぽく振る舞う、と嫌味程度に抑えることが出来た。

 だけど、頭と心ある中では怒りや口惜しさが渦巻いている。

 前後の見境なく、このまま屋敷を飛び出したい。

 そして、ついさっき通ってきた街に行くのよ。そこで、一人やり直す。
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