「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 だれにも邪魔されず、干渉されず、蔑まれたり虐められることなく、静かに暮らしたい。

 なにより、ほんとうの自分でいたい。

 だけど、やはりダメ。

 絶対的にお金がない。自慢ではないけれど、金貨が数枚と銅貨が数十枚くらい。あとは、売れば高値になる大昔の小説や貴重な文献くらい。

 それくらいで、女性一人が家を借りて当面生活出来るわけがない。

 だったら、やはりしばらくガマンするしかない。
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