「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 それから、気にかけてくれる人たちがいるということを身をもって知った。

 女性だからか、兵士たちにはよくしてもらっている。それがありがたい。

 将軍だけはあいかわらずの態度である。

 ろくに口もきかない。視線すら合わせない。

 舌打ちと、「ふん」と鼻を鳴らされるだけの毎日。だけど、それももう慣れてしまった。

 不思議なことに、慣れてくれば不思議と何とも思わなくなった。
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