「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 それはともかく、この日は宿舎の食堂で兵士たちと食事をし、食後も食堂でおしゃべりをした。兵士たちの故郷の話をきかせてもらったのである。

 だから、いつもより遅くなってしまった。

 急いで屋敷に戻った。

 足早に屋敷へと歩いていると、屋根裏部屋に灯りが灯っていることに気がついた。

 不思議に思いつつ、屋根裏部屋へと駆けた。

 屋根裏部屋の扉は開いたままになっていて、室内の灯りとともに人影がかび臭い床に揺らめいている。
< 75 / 310 >

この作品をシェア

pagetop