「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 彼は、すっかり自分の世界に浸っているみたい。

 まるでわたしがいないかのように、子どもの頃のことを回想している。

 ちょっと待って……。

 また何かがひっかっかった。しかも、これまでよりひっかかり具合が強烈である。

 もう一度、彼を上から下まで見直した。

 睫毛、睫毛……。

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