「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 古い木のわりには枝葉が青々と茂っていたのを、いまでもよく覚えている。

 木の枝に背中をあずけると、枝葉に隠れることが出来る。

 目をつむった。

 いつの間にか眠ってしまっていた。

 ハッと目が覚めたのは、人の声がきこえてきたからか、あるいは気配を感じたからに違いない。

 枝葉に隠れるようにして、地上を見下ろしてみた。

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