わたしのスパダリな婚約者
若干遠い目をしている姿に返事を間違えてしまったようだと慌てるも、じゃあ何を言えば良いのかわからなくて眉尻を下げる。
「君は私が他の女性から告白されることに対して何か思うところはないのか?」
どこか投げやりにされた質問に思わずきょとんとしてしまう。そう言われても……
「さすが、クリス様だなぁと……」
「……………まぁ、そんな気はしていたが」
やはりこれも違ったようだとは理解したけれど他の答えが思いつかなかったのは本当なので口をつぐむしかない。
「……私は時々、君は天使か妖精じゃないかと思うよ」
「……………まぁ」
まさかの婚約者から人外扱いをされていた件について。