わたしのスパダリな婚約者



今も新しく入れた紅茶を飲んでいる姿がまるで絵画か何かみたいに見えてしまって現実味が薄いというか。うーん、本当に二次元的な存在過ぎて未だに同じ人とは思えないのよねぇ。この人が婚約者だということにも首を傾げてしまうのだもの。



「生徒会の方は大丈夫ですか?お忙しいのでしょう?」


「そうだな…でも大丈夫。最後の大仕事だからしっかりこなしたいんだ」


「まぁ…でもお体には十分気をつけて下さいね」



ありがとう、と柔らかく笑う姿が綺麗すぎて、やっぱり二次元に存在していそうな人だなぁなんて思う。


この学園は、まぁ色々な建前はあるもののまだ社交界デビューしていない貴族が貴族社会に入る前の予行練習としての場が強い。授業も国の歴史やマナーなど、家庭教師から学んでいることの復習のようなものだし。


専門的な学問や医療、薬に関する知識を必須とする職業に就くための学校も勿論ある。そちらはどちらかと言えば平民の方が多く行くのではないだろうか。


あくまでも学園は社交界に出る貴族のために、学校は貴族平民関係なく知識を求める者に開かれている、という感じだろうか。


今はちょうど新入生が入ってきたばかりで生徒会に所属している婚約者様はとても忙しい時期なのだ。



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