わたしのスパダリな婚約者



婚約者として大切にされていることはわかっているし、信頼もお互い積み重ねているとは思う。婚約当初からお手紙やら季節の変わり目やら誕生祝いやらの節目にはしっかり何かしらの贈り物をいただきましたし。それはもう模範的なまでに。


むしろきっちりすぎて無理をしていないかとこちらが心配になったぐらい。いや、他の人からしたらいいことなんだろうけど、若干大人目線な記憶があるもので……10歳の時からこんなにしっかりしていたら疲れないのかしら?と思うのも仕方ないと思う。



「責任感かどうかは存じませんし貴女は親しい人に対して気を抜きすぎな気もしますけれど、それよりわたくし最近他国の小説を読むようになりまして、そこで貴女の婚約者にピッタリな言葉を知りましたの!」


「??」



急な話題転換に今日話したかったことはこれかと納得する。我が従姉妹は自身が話したいことや知りたいことがあったら躊躇わずにこういう場を作るのだ。うーん、積極的。


ちなみに以前「緊急で明日お茶会を開くから来てね!」という内容の招待状が送られたので行ってみると年の離れた妹たちの自慢をされた。初めてたっちできたみたいで、それに立ち会って感動したので他の誰かにも共有したかったらしい。


わたしにとっても従姉妹なわけだから嬉しくないわけではないけれど、これが他の人だったら怒られても仕方のないレベルの不敬である。



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