わたしのスパダリな婚約者
なんだか小説のジャンルといい言葉といい親近感が湧くなぁ。明らかにわたしと同じような前世を持っている人がいることがわかるのだけど、機会があったら会えたりするのかしら。
「いいですわねぇ、スパダリな婚約者!心躍りますわ!!」
「シエタにも素敵な婚約者がいるじゃない」
「ですがあれはスパダリではありませんわ」
すん、と真顔になってそういう従姉妹に思わず苦笑してしまう。そんなことを言いながらこの子は自分の婚約者のことをとても好いているのは知っている。
「だってあいつってばこの間も新しいドレスで会いに行ったのに剣ばかり!!そりゃあ鍛錬中のあいつは格好いいし見てるのもやぶさかではないけれどちょっとはこちらのことも気にかけて下さればよろしいと思いません!?」
「そうねぇ」
顔を赤く染めながら照れて怒って拗ねて、結局は惚れた欲目とばかりに撃沈する姿に、恋をしている女の子って可愛いなぁとほのぼのしながら紅茶を口にした。