あやかし学校
他のクラスから教科書を借りてくるという提案をしてみたのだけれど、なぜかふたりから全力で拒否されてしまった。


教科書ひとつを3人で読むほうがいいというのがよくわからない。


更に問題は休憩時間にあった。


ふたごはとても注目されているから、今みたいに休憩時間の度に見物客がやってくる。


となると、ふたりに挟まれている僕は必然的に陸の孤島状態になるわけで、こうして毎回廊下やトイレに避難することになるのだ。


「浩司もふたりとおしゃべりすればいいのに」


「僕はやめとくよ」


とてもじゃないけれどあの中に入っていけそうにはない。


それに、授業中に必要なことはちゃんと話ているし。


「それにしても、あの髪色すごいよね。天然なんでしょ?」


「そうらしいね。顔も綺麗だし、ハーフなんじゃないかな?」


「へぇ。金子ちゃんもカワイイしね」


「そうだな」


なんの気なしに肯定すると、佳苗に突如背中を叩かれた。


ジンジンとした痛みが走って顔をしかめる。


「なんだよ」

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