あやかし学校
テケテケが悲鳴に近い声をあげる。


たしかテケテケは元々人間で、事故で両足を失い、妖怪になってしまったんだっけ。


だから長い間自分の足を探し、人間を恨んでいるのだ。


テケテケの咆哮を聞いて怪異たちが動きをとめた。


みんなの視線が僕らへ向かう。


「逃げないとまずいぞ」


そう言って金子と銀太を立ち上がらせようとするが、ふたりとも座り込んだまま動けずにいる。


僕も、無理をすれば出血が多くなるばかりだ。


「あのひょうたんは私達の力でもあったの。使えば使うほど体力を消耗するし、壊れたら壊れたで、私たちの力は失われる。本物のひょうたんならよかったのにね」


金子が弱々しい笑顔で言う。


「そんな! じゃあ、僕が壊したのは君たちの力だったってこと!?」


「そうじゃない。壊さなくても、きっと俺たちはこうなってた」


早とちりしてしまいそうな僕を銀太が慌ててたしためる。


でも、でも……!!
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