あやかし学校
その頬はピンク色に染まっていて、自分の目的を達成したときのような笑みを浮かべている。


「私もだ。ひょうたんの家もなかなかいいものだな」


座敷わらしが見た目に反してしわがれた、老女のような声で答えた。


どれだけ長いあいだこの学校にいたのか、それが物語っていいるようだった。


包丁はテケテケの目の前でピタリと止まる。


まるで少しでも動いたら突き刺すぞと脅しているような光景だ。


「お前だって足がほしくて探しまたっていたんだろう? ひょうたんの中に入れば、きっと元の姿に戻ることができる」


座敷わらしの言葉にテケテケの目がかすかに揺れた。


迷っているのだ。


「そんなの信じるものか! 私の足はそこにある!」


テケケテケの視線がまた僕に向けられる。


どうしても僕の足を食いちぎり、自分のものにするつもりなのだ。
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