あやかし学校
☆☆☆

放課後、校舎案内をしてほしいと金子に言われたのは昼休憩のときだった。


席の近い僕たち3人は必然的に机を寄せ合って一緒に給食を食べていた。


「まぁ、いいけど……」


君たちふたりを案内したい生徒は他に沢山いるよ?


その言葉を飲み込んで頷く。


本当は授業が終わるとすぐに帰宅したのだけれど、今回ばかりはそうはいかなさそうだ。


「この学校って結構古いよな。案内楽しみだ」


ご飯を大口で口に運びながら銀太が目を輝かせている。


「銀太は古い建造物が好きなの。廃墟マニアっていうのよ」


「へぇ」


確かに、古い建物には趣があって素敵だなと感じることがおおい。


ただ、廃墟となると少し怖いイメージになる。


「この学校は確かに古いけれど、修繕工事もされてるからそれほどじゃないかもしれないけど」


僕はもごもごと口の中でそう言い、慌ててご飯を口に運んだのだった。
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