あやかし学校
当時のことを思い出したのか、金子の声はとぎれとぎれになる。


そうか、あのとき埋まっていたのは金子のほうだったのか。


「そんなときに助けてくれたんだよ。私にとってはどれだけお礼をしても、足りないくらいなのに!」


「俺だってそうだ。父さんと母さんが早くに猟師に仕留められてから、金子だけが自分の家族だった。ずっと一緒にいる。守るって決めてたのに、あの日はぐれてから、どれだけ心配して探し回ったか。それを、西村が助けてくれたんだ」


そうだったのか。


そんなに僕のことを……。


後ろで銀太が動く気配がした。


そこには確かな信頼と、力強い気配を感じた。


「黙れ黙れ黙れ! 妖怪のくせに、人間側につきやがって!」
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