あやかし学校
テケテケが再び牙をむく。


大きく開かれた口は僕を頭から飲み込もうとしている。


だけど僕は逃げなかったグッと歯を食いしばり、両手を拡げた状態で両足を踏ん張る。


絶対に逃げるものか。


絶対に……!!


テケテケの口が目前まで迫ったきたそのときだった。


「テケテケさん!!!」


後方でふたりの声が響いた。


テケテケの動きが一瞬止まる。


「バカが! ひょうたんは壊れただろうが! この人間が、お前たちの大切なひょうたんを壊し――!」


テケテケが最後まで言葉を紡ぐ前に、強い風が吹き荒れた。


それはテケテケの体を引きずり、ひょうたんへとひきずっていく。


「な、なんだと!?」


体を引きずられながらテケテケが目を見開く。


さっきまで壊れていたほうたんは元通りになり、名前を呼ばれたテケテケを吸い込もうとしているのだ。


「私たちも戻るぞ」
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