あやかし学校
そうすれば幽霊に合う回数が格段に減るからだ。


校内の様子がまだわかっていないふたりは文句も言わずに僕についてくる。


1度昇降口から外へ出て、部室棟の玄関でスリッパに履き替えて中に入るとゾクッとした寒気に襲われた。


放課後以外人の出入りが少ない部室棟も、幽霊がたまりやすい場所だった。


「1階は美術室と、文芸部の部室。それから映画鑑賞ができる小規模な教室がある」


「へぇ。映画が見れるなんて最高だな」


銀太はそう言いながらも本校舎よりも古い部室棟をキョロキョロと見回し、好奇心をむき出しにしている。


「この部室棟は旧校舎を使っているのか?」


「よくわかったね」


僕は素直に関心した。


旧校舎を使っていることは事実だけれど、その名残はもうほとんど残っていない。


木製だった建物はコンクリートに変わっているし、どちらかと言えば新しい建物に見える。


「匂いがするんだ」


くんくんと鼻を動かして言う銀太に僕は首をかしげた。


「銀太は建物の匂いで古いか新しいかがわかるの」
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