あやかし学校
それは小さな女の子の笑い声で耳元に吹きかけられて息で前髪が触れる。


「ひぃ!」


悲鳴を上げて逃げ出そうとしたが、思うように体が動かず、そのまま倒れ込んでしまった。


ここは中学校だ。


小さな女の子なんているはずがない。


これは気のせいだ。


これはただの妄想だ!


必死に自分に言い聞かせて立ち上がろうとする。


しかし、腰がぬけてしまったようでうまく動くことができない。


生まれたての子鹿のようにモタモタしている間に、また寒気を感じた。


今度はさっきよりも強い寒気。


体の芯から冷えていくような悪寒に息が止まる。


と、その瞬間だった。


なにもない空間にふわりと少女の姿が浮かび上がってくるのを見た。


少女は僕の半分ほどの身長で、おかっぱ頭に和服をまとっている。


そしてその姿は透き通り、奥の壁が見えているのだ。
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