あやかし学校
☆☆☆

校門を抜けた瞬間冷気が僕に絡みついてきて思わず足を止めた。


足の爪先から脳天にかけてヒヤリとしたものが駆け抜けていく。


胃のあたりが気持ち悪くなって、頭も痛い。


「どうしたの? 本当に大丈夫?」


きっと今の僕は顔面蒼白でひどい顔をしているんだろう。


佳苗が心配そうに覗き込んでくる。


「大丈夫だから。先に行って」


「でも……」


「本当に、大丈夫だから」


渋る佳苗を半ば強引に先に行かせて僕は周囲を見回した。


今日も、いる。


僕の通う銀杏中学校には沢山の幽霊が存在する。


そしてなぜか僕はその幽霊たちに気に入られて、毎日毎日絡みつかれるようになってしまったのだ。
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