あやかし学校
今も2体の幽霊が僕の左右の足に1体ずつ絡みついている。


それから背中におぶさるようにしてもう1体。


他にもウヨウヨと近づいてきて、僕の行くてを塞いでいる状態だ。


もう、いい加減にしてくれないか。


心の中でそう思うけれど決して声には出さない。


以前見た番組で、幽霊は話を聞いてもらいたがっている。


だから話せる人間についてくると聞いたことがあった。


そのときから絶対に幽霊には反応しないように決めている。


それでも毎日これだけの幽霊に好かれていては、なかなか難しい。


つい『どっか行けよ!』と、言ってしまいたくなる。


僕は青白い顔をしてノロノロと昇降口へと向かう。


校門に入った瞬間からこれだから、校舎内はもっとひどかった。


学校というのは色々な怖い噂が飛び交う場所でもあるので、それに引き寄せられるようにして幽霊たちが集まってきてしまうのだ。


「うわぁ……」


自分の下駄箱を見た瞬間思わず声を漏らしてしまった。
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