あやかし学校
☆☆☆

教室へ入るやいなや、すぐに双子が駆けつけてきた。


「西村、昨日は大丈夫だったか？」


「体なんともない？」


ふたりの心配そうな顔を見ると、昨日１人で逃げ帰ってしまったことが途端に恥ずかしく感じられた。


ふたりは僕を助けてくれたのに。


「だ、大丈夫だよ。昨日はその、ょっとビックリしちゃって」


しぼろもどろに説明するとふたりは同時に微笑んだ。


「なんだビックリしただけか」


「それならいいの。私たち余計なことしちゃったかなって思って心配してたから」


胸をなでおろすふたりへ向けてどうにか笑顔を浮かべた。


正直、ふたりに聞きたいことは山のようにある。


ふたりにも霊感があるのか？


あのひょうたんはなんなのか？


どうして歴史のことまでわかったのか？


だけど、昨日までと同じように他の生徒たちに囲まれている状態では、何も聞くことができない。


僕は諦めて自分の席へ向かったのだった。
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