あやかし学校
「信じないよな普通。小学生でもあるまいし」


「い、いや、信じるよ!」


むしろ視えているとか、昨日かなしばりにあったとは言わなかったが、食い気味な僕の反応に祐太郎はとまどった表情にかわった。


「そ、そっか。信じてるのか?」


「あぁ」


何度もうなづく。


「実は、最近美術部で妙なことがあってさ」


「どんなこと?」


祐太郎の説明よればこうだった。


最近美術部では誰も触れていない絵が、勝手に書き足されているときがあるという。


その絵を描いていた人は2年前、中学2年生の頃に交通事故で亡くなっていて、絵だけが残されているらしい。


「だから、死んだ先輩の霊が出てきてるんじゃないかって噂なんだ」


「なるほど……」


それ自体はきっとよくある噂話で、部員たちも本気で信じているわけではなさそうだ。


本当に絵に変化があったとしても、誰かがイタズラしている可能性が高い。


けれど、それらを考慮してもこうして僕に真剣に相談してきたということは、他になにかがあるということだろう。

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