あやかし学校
「昨日のは見た目で座敷わらしだってわかったからなぁ。今回の怪異は……なんだ?」


頭をかいて怪異をジッと見つめる銀太。


「わかんない。美術室の幽霊さんとか?」


「じゃ。それでやってみるか」


ふたりが頷きあい、同時に「美術室の幽霊さん!」と、声をあわせる。


ざっざっざっ。


「全然反応してないよ!」


僕は思わず叫んでいた。


ふたりにもどうにもならない恐怖で涙が滲んできてしまう。


絵はどんどん描き足されていき、完成はもう間近という様子だ。


これが完成したらどうなるんだろう?


石田彩花先輩の幽霊は成仏してくれるんだろうか?


それとも……。


先のわからない恐怖に絶叫しそうになったとき、自分が怪異の名前を知っていることに気がついた。


「な、名前!!」


「え、なに?」
< 55 / 134 >

この作品をシェア

pagetop