あやかし学校
前方の出口から次々と生徒たちが逃げ出して行き、先生がそれを止めようと駆け回る。


その間にも誰も触れていない包丁が飛び回り、1人の女子生徒の腕に傷を負わせた。


「痛っ!」


女子生徒はその場に膝を付き、切られた右腕を押さえる。


押さえた指の間から血が滲み出してきて、僕はとっさに駆け寄っていた。


「大丈夫!?」


合服のブラウスは切られ、赤く染まってきている。


「うぅ……」


傷はそんなに深くなさそうだけれど、切られたショックで青ざめ声が出せなくなっている。


だけどこのままじゃ危険だ。


包丁はいまや3本になり、それらは自在に空中を飛び回っているのだから。


僕は女子生徒に手を貸してゆっくりと立ち上がらせた。


とにかくは早く教室から出ないと!


出口へと殺到する生徒たちを後ろから追いかける。


「これくらいの傷ならすぐに治るから、大丈夫だから」


そう話かけると女子生徒はようやく両足に力が入ったようで、ふたりして廊下に転がり出た。
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