あやかし学校
ようやく事情が飲み込めてまばたきをする。


双子が同じクラスに転校してくるのは珍しいことだった。


「席は、えっと……」


先生が教室内を見回したとき、僕と視線がぶつかった。


その瞬間なんとなく背筋が伸びる。


「西村の隣が開いてるな」


そう、僕の両隣の席は意図したように開いていた。


普通は新しい机を後ろとか、一番前とか、起きやすい場所に置いたりするものなのに。


「はぁい!」


不審がる僕を横目にふたりは元気に返事をして僕の隣に座った。


右側は金子ちゃん。


左側が銀太くん。


僕は双子に挟まれて座る格好になり、ますます背筋が伸びてしまう。


「教科書がないから、見せてやってくれ」


「は、はい」


先生に言われて掠れ声で返事をする。


「よろしくな、西村!」
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