あやかし学校
☆☆☆

ふたごが戻ってきたのは先生が職員室へ向かった直後のことだった。


「おまたせ!」


金子が元気言って教室のドアを開ける。


その瞬間一本の包丁がこちらめがけて飛んできて、僕は思わず身を屈めて両手で頭をガードした。


しかし包丁は教室から出ることなく、そのままUターンして行く。


「大丈夫。この怪異は教室の外には出ることはなさそうだから」


「そ、そうなんだ」


安心しつつもそれなら先にそう教えておいてよという文句が口からでかかる。


「それで、怪異の名前はわかった?」


「あぁ。怪異の名前は銀杏シェフスリー」


「銀杏シェフスリー?」


銀太に聞き返されてなんだか僕が照れくさくなってしまう。


が、これが3人で作ったユニット名らしい。


銀杏中学校でシェフを目指している3人組だから。


安直で、でも中学生らしい名前だ。
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