あやかし学校
「あっ」


と思わず声を上げてしまい、慌てて口を手で覆う。


「西村くん、どうしたの?」


「あ、いえ……。あの、その名刺のシェフスリーって……」


ごまかそうと思ったが、やはりモヤモヤしたままで終わるのが嫌で、僕は先生と男性に質問をした。


「あぁ、これ。これは僕が学生時代に作ったシェフのグループ名なんだよ」


「3人組でね。いつも頑張ってたわよねぇ」


先生が頬に右手を当てて懐かしそうに微笑む。


「料理人を目指していたんですか?」


核心をつくことができず、違和感のない質問を投げかける。


銀杏シェフスリーの3人は怪異になったんじゃなかったのか。


それなのに、店を出すとはどういうことなのか。


「そうだよ。残念ながら僕以外のふたりは諦めちゃったんだけどね」


「どうして……」


「1人は病気で。もう1人は他に夢ができたから、そっちで頑張ることにしたんだよ」


「し、死んでないんですか?」


思わず声が裏返る。
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