あやかし学校
☆☆☆

教室に入ると今までと同じように金子と銀太が駆け寄っていた。


「おはよう!」


そう声をかけられても返事をせず真っ直ぐ自分の席へ向かう。


「どうした西村」


銀太が僕の隣の席から声をかけてくる。


「別に」


顔を見ずに短く返事をする。


机の上にカバンを置いて、教科書とノートを机の中に片付ける。


「今日は怒ってるみたい」


金子が少し低い声色で言った。


「怒ってるように見える?」


手を止めて金子を見ると、金子は小さく頷いた。


「昨日、これを読んだんだ」


そう言ってカバンから《様々な妖怪》の本を取り出す。


それを見た瞬間金子の黒目が大きく揺れた。


明らかに動揺している。
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