あやかし学校
☆☆☆

後悔はしていない。


僕は事実を言っただけだし、妖怪とこれ以上仲良くすることなんて考えられなかったし。


それに、今思えばふたりが転校してきてから、みんなにも見えるように怪異が姿を見せ始めている。 


それは絶対に偶然じゃない。


ふたりが妖怪であることが関係しているに決まっている。


類は友を呼ぶように、怪異もまた自分に近いものに寄ってきているんだろう。


ちょうど、霊感が強くて困っていた僕にまとわりついていた幽霊たちみたいに。


体操着に袋に入れて更衣室のドアを開けると廊下から声が聞こえてきた。


金子と銀太だ!


咄嗟にドアを締めて聞き耳を立てる。


「西村くんのこと、どうするの?」


金子の声は弱々しくてどうにか聞きとれるくらいだ。


「そろそろ限界だったんだ」


銀太がハッキリとした声で言う。


けれどその声色は少しだけせつなそうに聞こえてきた。


「これでよかったんだ。行くぞ」
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