あやかし学校
金子はまだなにか言いたそうにボソボソと呟いていたけれど、それは僕のところまでは聞こえてこなかった。


ふたりの足音が遠ざかっていくのを聞いて僕は大きく息を吐き出す。


そろそろ限界。


これでよかった。


その言葉はどういう意味だったんだろう。


なにか不穏なものを感じたけれど……。


気になったが、自分からふたりに話しかけることはもうない。


絶対にだ。


これから先はふたりに頼ることなく、僕ひとりで何でも解決してみせる。


「もう、そう決めたんだ」


唇を引き結び、体操着袋を握りしめると僕はドアを大きく開いたのだった。
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