あやかし学校

☆☆☆

授業の終わった体育館を横切り、廊下へ出る。


着替えるのが遅くなってしまったから、他の生徒たちはすでに教室に戻っていた。


早くしないと次の授業が始まってしまう。


焦った気持ちになった早足になった、その時だった。


ゾクリ……。


今までに感じたことのないような寒気に襲われて僕は足を止めていた。


ここで止まらないほうが言い。


早く教室へ戻らないと。


心ではそう思うのに、体が言うことを聞かない。


一瞬で全身を包み込み、僕の動きを止めてしまった寒気は後方から流れてきているようだ。ついさっき、僕が通ってきた廊下だ。


誰かいるんだろうか。


なにが、いるんだろうか。


吐き出す息が白く濁って空中に消えていく。


振り向きたくないのに。