【短編】トモウタ。
俺は祐輔と、祐輔の息子の三人で、ぶらりと町を歩き回った。

「なんか変わったような変わってないような微妙な感じだな~この町」

懐かしさと新鮮さな気持ちで、俺は町をキョロキョロと見渡した。
さびれた商店街。昔はなかった大手チェーンのスーパー。昔買い食いした団子屋、コロッケ屋。よく立ち読みしていた本屋の店主の頭の薄さと老けた顔に、確かな年月の経過を感じた。



祐輔は子どもの手をひきながら、そんな俺を見てにっこりと笑った。

「高校も見にいってみない?」


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