王子様の溺愛は、とことん甘い【ハロウィンSS】
「が、がおー……?」
「………僕、今日が命日かな」
扉を開けたのは、今日ずっと会いたくて会いたくて仕方のなかった芙羽梨だった。
…ただ違うのは、その服装だ。
「えぇっ…!?し、死なないでください詩音先輩…!!」
ふわふわした灰色の生地に付いているしっぽ。
太ももが丸見え状態になるほど短い丈。
頭には耳が付いていて、動く度に揺れている。
その姿を見るか否や、芙羽梨をすぐに抱きしめた。
「し、詩音先輩…?」
「何そのカッコ…僕をどうしたいの?」