王子様の溺愛は、とことん甘い【ハロウィンSS】
「…なるほどね。じゃあ、今日は会えないんだ?」
「可哀想に」と眉を下げて言う彩凛ちゃんに、首を横に振る。
今の話の流れだとそういうふうになるよね。
「あ、ううん。放課後に会う約束してるの。疲れて帰ってくると思うから、やめておこうと思ったんだけど…」
「芙羽梨に会うことが、僕の疲労回復に繋がるんだよ」
なんて言われてしまった。
そのまま彩凛ちゃんに伝えると、苦笑をこぼす。
「あー、言いそうだなあの人なら…。でも、それなら良かったね。芙羽梨だって嬉しいでしょ?」