【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズ】
01 選択
「じゃあこの人にする」
アリスは真っ直ぐに人差し指を向けて、他でもないその人を選んだ。
飲み屋の独特な暖色系の灯りの下で、とろけるような蜂蜜色の髪をしたその人は、ずっと前から欲しくてこんな自分では手に入らないと諦めていた人だった。
まさか自分が選ばれると思っていなかったのか、彼は酒の入っていた杯をガタンと音をさせて、ちいさな丸いテーブルの上に置くと顔を真っ赤にして慌てて自分を指差す。その様子が可愛くてアリスは酔ってふわふわした頭で頷くと無邪気に笑った。
ヒュウと間抜けな口笛が鳴って、唖然として音が消えていた周囲は拍手をしつつ面白そうに囃し立てる。なぜか他のテーブルの客もこちらの会話を息を殺して伺っていたようで、狭い店中がなぜか祝福するような空気に包まれた。
「ゴトフリー、ご指名だぞ」
「まじか、ブレンダンが居てリカルド以外が選ばれたのって初めてじゃね?」
「おいおい、色男のブレンダン・ガーディナーが袖にされたぞ」
アリスは真っ直ぐに人差し指を向けて、他でもないその人を選んだ。
飲み屋の独特な暖色系の灯りの下で、とろけるような蜂蜜色の髪をしたその人は、ずっと前から欲しくてこんな自分では手に入らないと諦めていた人だった。
まさか自分が選ばれると思っていなかったのか、彼は酒の入っていた杯をガタンと音をさせて、ちいさな丸いテーブルの上に置くと顔を真っ赤にして慌てて自分を指差す。その様子が可愛くてアリスは酔ってふわふわした頭で頷くと無邪気に笑った。
ヒュウと間抜けな口笛が鳴って、唖然として音が消えていた周囲は拍手をしつつ面白そうに囃し立てる。なぜか他のテーブルの客もこちらの会話を息を殺して伺っていたようで、狭い店中がなぜか祝福するような空気に包まれた。
「ゴトフリー、ご指名だぞ」
「まじか、ブレンダンが居てリカルド以外が選ばれたのって初めてじゃね?」
「おいおい、色男のブレンダン・ガーディナーが袖にされたぞ」
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