素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「それでね……あのね、ゴトフリーが書類を届けに来るのがね、いつもすごく楽しみだったの……」

「戦争している時、不謹慎なんだけど、ゴトフリーがよく来てくれたから、なんだか、すごく嬉しかったんだ」

「……その、顔もね、すごく好きなの、優しそうで可愛いから、私の好みのど真ん中だったんだ」

「……飲み屋で会った時ね、ゴトフリーが居るのを見てこれはチャンスだと思ったの。いっぱい飲んだらその時だけでも素直になれる気がしたんだけど……今、思えば大失敗しちゃった」

「あのね、あの時、失恋したって言ってたけど……なんていうか、今思うと、全然恋じゃなかった。ただ、こんな私の事たくさん褒めてくれる人がね、婚約してたってだけなの」

「あの朝……私ね、ゴトフリーが私が処女だったから責任取ろうとしていると思ってて、なんか、なぜかそう勘違いしたの。私はね、もう好きだったから、責任感じて付き合ってもらうのは違うような気がしたんだ」

「でもね、あの後、ゴトフリーが同僚さんも牽制して、仕事を理由にしてたくさん会いに来てくれて嬉しかった」
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