素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「……ゴトフリー、好きだよ。大好きなの。出来たらこんな私で良かったら……付き合ってください。こんな時になるまで素直になれなくて、ごめんね」


 夕日が彼の蜂蜜色の髪を照らして、その色がとても綺麗だと、そう思った。



「……ゴトフリー、早く起きて。返事してよ。良いよって……笑ってよ……」



 大きな窓から赤い光が差し込む病室に、浮かんでは消えていくたくさんの今まで言えなかった言葉は、こんなに近くにいるのに眠ってしまっている彼には決して届かない。

 そう思うと、枯れてしまったと思っていた涙が一筋だけ、頬を伝った。


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